進行波を記述する2つの方法

たとえば、x軸正方向に進行する正弦波を記述する方法として、次の2通りがある。

(1) x=0 の振動を単振動a\sin\omega t と置く方法

原点x=0の振動を初期位相 0 の単振動a\sin\omega tとする。時刻t、位置xの位相は、時刻t- x/vに原点を出た位相であるから、

f(x,t) = a\sin\left\{\omega\left(t-\displaystyle\frac{x}{v}\right)\right\} = a\sin (\omega t - kx)

となる。

(2) t=0 の波形を正弦波a\sin kx と置く方法

t=0の波形を正弦波a\sin kxとする。時刻tにおける波形は、t=0の波形をx方向にvtだけ平行移動したものになるから、

f(x,t) = a\sin \left\{k(x - vt)\right\} = a\sin(kx - \omega t) 

となる。

2つの方法で位相の符号がまるっきり逆になるので、どちらの方法をとっているかしっかり意識して表記しないと混乱を招くもとになる。