原子核や素粒子の崩壊と平均寿命の関係について整理してみる。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1283622002のQ&Aをきっかけに自己の認識の中にあった穴を埋めることができた。
粒子の崩壊は,純粋な意味で確率的な過程であることが知られている。したがって,その崩壊を支配する微分方程式は,
と書ける。は残存粒子数でありは崩壊定数と呼ばれる。積分すると,
を得る。は寿命と呼ばれ,崩壊までの平均時間を表す。
以上はポピュラーな粒子崩壊の数学であるが,寿命=崩壊までの「平均時間」という理解に穴があったので,それを埋める考察をしてみた。
時刻からまでの間に崩壊する粒子に対する年齢の和は,であるから,崩壊までの平均時間は
となる。寿命は単に残存粒子数がに減少する時間,などという半端な意味ではなく,まさに平均寿命なのである。ちなみに,寿命はグラフの面積をで割ったものとなるから,通常描かれる崩壊のグラフを縦横ひっくりかえしたものの「平均値」となるわけだ。
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陽子の寿命が年ならば、の陽子を集めれば1年に1個の陽子の崩壊が観測できることになる。(Wikipediaより)
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こわれる粒子数は,
のとき,
したがって,時間経過が寿命より十分小さければ
を代入すると,
となるわけだ。