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時空の対称性と保存則

ちょっとおマセな高校生の質問から。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1461896624より。

そのまま転載させていただく。
【質問】
高3ですが、物理の質問をお願いします。
F=ma(完全情報)から、部分情報を導出できますが、
何故、運動量、K.E、角運動量という3つの情報しか導出できないのですか?


【回答】

まず物体の運動の基本的な舞台として,時空間があります。
物体の運動は,時間的空間的に変化する物理量で記述されます。
すると,運動方程式という基本法則(完全情報)から得られる保存量は,運動方程式に対して時間的・空間的な演算=積分を通して得られることになります。

(1)

運動方程式を時間で積分することによって
運動量変化=力積
という関係が得られます。外力がゼロなら右辺はゼロになり,運動量保存を得ます。

(2)

運動方程式経路積分(座標による積分)することによって
運動エネルギー変化=された仕事
という関係が得られます。仕事が保存力によるものだけであれば,力学的エネルギー保存を得ます。

(3)

運動方程式を回転角を媒介として積分すると
角運動量変化=力のモーメント
という関係が得られます。外力のモーメントがゼロならば,角運動量保存を得ます。

それぞれの保存則は,
(1) 空間の一様性(並進対称性)
(2) 時間の一様性
(3) 空間の等方性(回転対称性)
と深く関係しており,運動の舞台である時空間の対称性をその根にもっているのです。時空間にこれ以上の基本的な対称性はありそうにないので,運動方程式から得られる保存量はこれだけということになるのではないでしょうか?

「系に連続的な対称性があればそれに対応する保存則が存在する」(ネーターの定理)

とされています。