回転する棒上のリングの運動

一端を回転軸で固定された十分に長いまっすぐな棒が、平面内を一定の角速度 \omega で回転している。棒に沿って摩擦なく動くことのできるリングが差し込まれており、回転軸から r_0 の位置で半径方向の初速ゼロで放されたとする。その後のリングの運動を解析する。

半径方向の運動方程式は、
 m \ddot{r} = m r \omega^2
両辺に \dot{r} をかけて積分すると、
\dot{r} = \omega \sqrt{r^2 - {r_0}^2}
を得る。さらにこれを積分すると、
 r = r_0 \cosh\omega t
となる。直交座標にとりかえれば、
 x = r_0 \cosh\omega t \cos\omega t
 y = r_0 \cosh\omega t \sin\omega t

Algodooによるシミュレーションと、Polymathによる数値計算を併せて実行してみた。

追記(2020/04/30)

リングが棒から受ける垂直抗力を要求されることがよくある。方位角方向の運動方程式

\displaystyle\frac{d}{dt}(mr^2\omega) = Nr
より、
N = 2m\omega\dot{r} = 2m\omega^2\sqrt{r^2 - r_0^2}
を得る。これは回転系で現れるコリオリ力の効果にほかならない。ただし、重力がある場合は、それも考慮しなければならないことは言うまでもない。