鉛直面内円運動から放物運動への移行

Yahoo!知恵袋」でみつけた問題
長さlの糸につるされた単振子において、糸がゆるんで放物運動になった後に円の中心を通るのは、最低点における速さv_0がいくらのときか? また、糸がゆるむのは鉛直下方から測っておよそ何度の位置か?
(出典:学術図書出版社『力学への道』第2章の演習問題18)
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  ※Algodooで糸は面倒なので、円筒面とした。

【解答】

離れるときの中心角を\theta、そのときの速さをv とおくと、エネルギー保存により
$$\frac{1}{2}mv^2 - mgl\cos\theta = \frac{1}{2}m{v_0}^2 - mgl$$
$$\therefore v^2 = {v_0}^2-2gl(1-\cos\theta)$$
張力を T として、運動方程式
$$\frac{mv^2}{l} = -mg\cos\theta + T$$
2式より
$$T = m\{{v_0}^2-gl(2-3\cos\theta)\}/l = 0$$

すなわち T=0 なって糸がゆるみ、円運動から離れる角 \theta

$${v_0}^2 = gl(2-3\cos\theta)$$
より
$$\cos\theta = \frac{2}{3}\left(1 - \frac{{v_0}^2}{2gl}\right)$$

この後が問題である。離れるときの速さ v に対して
$$v^2 = ({v_0}^2-2gl)/3 = -gl\cos\theta$$
糸がゆるんだ小球が中心を通る条件より
$$\cos\theta = - \frac{v^2}{gl} = -\frac{1}{\sqrt{3}}$$
$$\therefore \theta\simeq 125°$$
最低点での速さ v_0
$${v_0}^2 = (2+\sqrt{3})gl \simeq 3.73gl$$
となる、というのがテキストの展開。質問者は \theta を求める段になって追跡不能に陥ったわけだ。

斜方投射として2方向分解して考えることもできるが、下図のように図形的に考察するのが簡明である。

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t 秒後に v_0 t だけななめ上方へ進むはずの小球が、重力のためにgt^2/2 だけ落下して円の中心を通ることになる。

$$\sin\theta = \frac{v_0 t}{g t^2/2} = \frac{2v0}{g t}$$
$$\cos\theta = - \frac{l}{g t^2/2}$$

2式より t を消去して、\cos\theta について解けば
$$\cos\theta = -\frac{1}{\sqrt{3}}$$
を得る。