基本法則はなぜ微分形なのか?

物理の基本法則はなぜ積分形ではなく微分形として記述されるのか、という根源的な問題。
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https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13204984188


基本法則は、原因と結果を結ぶ因果関係を数学的に表すものです。それによって物理量の時間的な変化あるいは空間的な変化を予測します。
基本法則は、枝葉末節をこそぎおとして予測に必要な最低限の因果関係を記述するのが、簡明でコンパクトになり、「美しく」なります。

法則を適用して物理量の時間的変化や空間的変化の全容をとらえるには、積分が必要となります。積分するには、初期条件(境界条件)と積分範囲の指定が前提となります。これは、基本法則の本質とは別の「枝葉末節」に当たります。微分形はそれをこそぎ落として、時間的部分または空間的部分から全容を予測できる因果関係を、必要最低限の情報で記述しているのです。それによって大きな汎用性もそなわり、そこから導出される「二次的な法則」も包含することになると思います。

たとえば、運動方程式
運動量の時間変化率(結果)=力(原因)
という因果関係を示します。
時間的に積分すると、
運動量の変化=力積
という関係が得られ、また、空間的に積分すると
運動エネルギーの変化=された仕事
という関係が得られます。
運動量-力積関係は運動方程式と同値ですから、これを基本法則としても論理的には支障がありませんが、エネルギー原理(運動エネルギー-仕事関係)は結果的に微分形にもどって積分しなおすことになります。それだけ積分形は「汎用性」が失われたといってよいかもしれません。

部分から全体を予測するのが基本法則です。はじめから全体を見渡す、という基本法則の記述もあっていいのですが、なぜか地球人は前者の記述を簡明にするように数学を発展させてきたようです。