ひものついた風船の運動 - 科学のおもちゃ箱@Hatena
をさらに単純化した問題。上昇の加速度が一定になるという意外な結果が得られる。Yahoo!知恵袋>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1185900871より。
【問題】
床の上にかたまっている鎖(線密度)の1つの端をもって一定の力で引き上げる。だけ引き上げた時の速度はどれだけになるか。ただし,重力加速度の大きさをとし,の間の結果だけでよい。
【解答】
上昇中の運動方程式は,
を変数として積分したいので,以下のように書き換える。
次のように変形すれば積分できて,
となる。として。したがって,において
… (*)
を得る。
以上の結果には多少の解釈が必要である。
であることに注意されたい。もちろん現実的な初期条件はであるが,上の初速度に至る過渡現象が存在すると考えるべきであろう。いきなり定力を受けることで,微小時間のうちに速度は上記の値に達するのである。
さて,(*)を時間微分すると
となり,定常上昇時には加速度は一定になることがわかる。また,最高点はにより
となる。
Algodooシミュレーション
POLYMATH数値シミュレーション
運動の全容を見てみよう。
ひものついた風船の運動 - 科学のおもちゃ箱@Hatenaでも考察したように,鎖はつり合い中心まわりに減衰振動をする。運動方程式は,
となる。は論理式で,真なら1,偽なら0をとるものとする。Algodooシミュレーションでは,鎖の運動はより現実に近く,エネルギー散逸が大きいため減衰がはやい。
Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=571&file=Const-Force-To-Chain.phz
(初稿:2012/04/22)