壁に立てかけた立方体

ファインマン物理学」演習より。
【問題】
密度が一様な立方体が,なめらかな壁に立てかけられている。床には摩擦があり,床面と立方体の底面との角度を \phi とする。0<\phi<\pi/4 においてすべり出さないための最小の静止摩擦係数を \phi の関数として求めよ。
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※ Algodooでは,静止摩擦係数=動摩擦係数=「まさつ」パラメータの相乗平均である。床のパラメータを1とし,立方体のパラメータを \mu^2 に設定して確認するとよい。

【解答】
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立方体が受ける力を図のようにおくと,力のつりあいは

W = N

R = F

また,立方体の一辺の長さを a とおくと,床との接点まわりの力のモーメントのつりあいは

W\cos\phi\cdot\displaystyle\frac{a}{2} = W\sin\phi\cdot\frac{a}{2} + R\sin\phi\cdot a

ここで,すべりださないための最小の静止摩擦係数を \mu とすると,F=\mu N により

\cos\phi = \sin\phi + 2\mu\sin\phi \qquad \therefore \mu = \displaystyle\frac{1-\tan\phi}{2\tan\phi}

を得る。

Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=271&file=FM12-9.phz

(初稿:2009/12/21)