ロケット推進において、加速しても減速してもロケットとガスの運動エネルギーの総和は増加する。減速するときは果たして?と心配になるが、燃料の化学エネルギーの一部が燃焼によって運動エネルギーとして解放されているのだから、自明ともいえる。このことを、運動量保存から検証してみた。以下の展開の前半は、ツィオルコフスキーのロケット方程式の導出と同じである。
質量、速度のロケットが、質量のガスに相対速度を与えて噴射して、速度がになったとすると、
運動量保存
、を微小量として、2次項を省いて整理すると、
→ をとして積分するとツィオルコフスキーの公式にいたる。
このとき、運動エネルギーの変化は、
2次以上の微小項を省いて整理し、を適用すると、
となる。結果的にロケット座標系で見た、ガスに与えられた運動エネルギーに等しく、これが燃料から得られているわけだ。
減速の場面では、とすればよく、結果は同じとなる。