Yahoo!知恵袋>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1145082241への回答をきっかけに,有効ポテンシャルと惑星の軌道の関連について整理してみた。
太陽を原点とし,太陽および惑星の速度を含む軌道面上における平面極座標をとする。
惑星の力学的エネルギーは,
角運動量保存により,
したがって,
を得る。ここに,
は動径方向を1次元運動として取り出して解析するのに用いられる「有効ポテンシャルエネルギー」である。第1項は遠心力のポテンシャルエネルギーといえる。
は上図のような形状になり,
となる範囲で運動が起こる。惑星の力学的エネルギーの大小によって,軌道は次のように分離する。現実の惑星はもちろん,(3)に当たる。の最小値をとするとき,である。
(1) のとき
惑星はいかなる運動エネルギーも持つことができず,軌道は成立しない。
(2) のとき
となるから惑星は円軌道をとる。軌道半径は,
となる。
(3) のとき
運動は,を満たすの範囲で起こる。
不等式を具体的に書いて, に注意しつつ について整理すると,
となる。左辺 = 0 の解を とおけば,
となり,運動はの範囲に限定される。は近日点距離,は遠日点距離に他ならない。
(4) のとき
不等式は,
となるから,左辺 = 0 の解のうち意味のある正の方をとおくと,
運動は, で起こる。 で放物線軌道, で双曲線軌道となる。
(初稿:2010/08/12)