2質点が相互作用を及ぼしあいながら運動する2体系について考察しよう。
質量がの2質点の位置をとし,また相互作用は,
と書けるものとする。簡単のため外力はないものとしよう。
2質点の運動方程式は,
---(1)
---(2)
となる。辺々加えると,
ここで,系の総質量を用いて,系の重心の座標を
と書けば,重心の運動方程式
---(3)
を得る。外力があれば,それが右辺にくることになる。
また,2質点の運動方程式から
が得られ,換算質量
および,相対座標を用いて,
---(4)
と書けることになる。これが相対運動の運動方程式である。
(1)(2)の運動方程式が,同値な2つの運動方程式(3)(4)に書き換えられたことになる。
もちろん,重心系において2つの質点の運動方程式をそれぞれ立てることは可能だが,相対座標と換算質量による表現の方が,エレガントで簡明な記述を与える。
相互作用が保存力であれば,位置エネルギー
が定義され,(4)をエネルギー積分すれば,エネルギー保存
を得る。
相互作用が上で定義したように中心力であれば,外力ゼロのとき(4)ととのベクトル積をとることにより,角運動量保存
を得る。
が重心系における2質点の力学的エネルギーの合計および角運動量の合計であることはいうまでもないが,一応確認しておく。
(初稿:2009/01/13)