浮力は保存力であり,したがってポテンシャルが定義できる。
浮力による位置エネルギーについて考察してみよう。
一様な密度 をもった水平断面積 ,高さ の円筒が,密度 の液体中,深さ (ただし円筒底面の深さ)にあるとする。また,水は多量にあり,物体を沈めたことによる水面の上昇は無視できるものとする。
浮力 は下向き正として
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したがって,浮力による位置エネルギー は に対しては
となる。これは,物体の浮心位置を基準として,水面にある物体と等しい体積の水の,重力による位置エネルギーにほかならない。浮力が本質的に重力によって生じるものであることから当然の帰結であろう。結果的に物体が押しのけた水が水面の高さに行ったと考えてよい。
の場合には,
となる。重力による位置エネルギー との合計は
となり,復元力のエネルギーに相当する。 のとき を最小とする
は,安定点(つりあいの位置)であることはいうまでもない。
(初稿:2008/12/09)