Yahoo!知恵袋>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1098716365 より。2重に回転する座標系での運動方程式の記述に関する問題。
【問題】
水平面内において長さ の剛体棒の先端Qに内壁の滑らかな管が取り付けられており、剛体棒は原点Oまわりを一定角速度 で、管は点Qまわりを剛体棒に対して一定角速度 で反時計方向に回転している。また、管の中では質量 の質点Pが運動している。 を空間に固定された2次元座標系(S系,単位ベクトル ), を一定角速度 で原点Oまわりを反時計方向に回転する2次元座標系(S'系,単位ベクトル )とする。点Qと質点Pの距離を ,管から質点に作用する垂直抗力を として、質点Pの運動方程式をS'系で求めよ。ただし、 のとき剛体棒と管および 軸は 軸と一致しており、 および であるものとする。
【解答】
質点のS'系における座標を とすると,質点への位置ベクトルは
ただし,
時間微分をとると,
また,単位ベクトル(基底)の時間微分は,
以上を用いて を2回時間微分すると,
を得る。したがって,求める運動方程式は
であるから,
成分
成分
となる。下図は,POLYMATHによる数値積分,およびAlgodooによるシミュレーションの結果である。
上記の 成分すなわち に関する運動方程式は,質点のラグランジアンから導出することもできる。質点は外力により仕事をされており,力学的エネルギー保存は成立しないが,2重回転アームによる運動経路を束縛条件としてラグランジアンに組み込むことで,束縛力による仕事を考慮からはずすことができてしまうのだ。確かに,上記の 成分は を決定するのみで, の挙動には直接影響していない。
ラグランジアンは,
微分すると,
ラグランジュ方程式をつくれば,上記運動方程式の 成分を得る。
Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=597&file=Kaiten-zahyou.phz
(初稿:2012/12/16)