「万有引力の法則」を力の法則として含む運動方程式から,惑星の楕円軌道を導く過程はなかなか難しいと思っていたが,何とか一から自分で展開できる範囲であるように思えたので,整理してみた。
(1) 平面極座標による運動方程式
万有引力は中心力であるため,初期条件をどのようにとっても,初速度と引力のベクトルによって張られる平面内から運動が逸脱することはない。したがって,軌道平面内で母星を原点とする平面極座標による記述が簡明である。
一般に平面極座標によるベクトルの記述は,惑星とともに動いていく基底(単位ベクトル) によって行なわれる。方位角の微小変位 にともなうその変化は,
であるから,
となる。原点を向く大きさ の中心力のもとでの運動方程式は,
と書けるが,ここに, であるから,
したがって,
これを運動方程式に代入して,成分に分ければ
前者が動径の変化を与え,後者は面積速度一定(角運動量保存)すなわち
を与える。
なお,ラグランジアンを用いる方法では,形式的にはかなり簡略化される。
微分して,
よって上と同じ運動方程式を得る。
運動方程式から軌道方程式まで(2) - 科学のおもちゃ箱@Hatena へ続く。
(初稿:2010/03/16)