回転正方形の縁を歩く

Yahoo! 知恵袋から拾ったなかなかホネのある問題。

[問題]

一辺の長さが 2a, 質量 M の正方形の板がある。板の中心Oを通り、板に垂直な回転軸のまわりを板は摩擦なしで回転できる。この回転軸を鉛直に立てる。はじめに、静止した板のひとつの角にいた質量 m の人が、ゆっくりと隣の角まで辺に沿って歩いた。板はどれだけ回転するか。
f:id:yokkun831:20200130194548p:plain

[解答]

板に対する一定の相対速さ v で歩くとする。
時刻 t における軸からの距離 r(t) とすると、
r^2 = a^2+(vt - a)^2

正方形の角速度の大きさ \Omega(t) とする。

角運動量保存により
mav - mr^2\Omega = \displaystyle\frac{2}{3} Ma^2\Omega

上の r を適用して整理すると、
\Omega = \displaystyle\frac{av}{\left(1+\displaystyle\frac{2M}{3m}\right)a^2 + (vt - a)^2}

これを積分すると、
\varphi = \displaystyle\int_0^t\Omega dt
= \displaystyle\frac{1}{\sqrt{1+\displaystyle\frac{2M}{3m}}}\cdot 2 \tan^{-1}\frac{1}{\sqrt{1+\displaystyle\frac{2M}{3m}}}
を得る。
Algodooによるシミュレーションでほぼ一致が確認できた。
f:id:yokkun831:20200130193314p:plain