つりさげられた2球のつりあい

知恵袋から拾った問題。

[問題]

半径a_1,a_2,質量m_1,m_2の2つの一様な球を長さlの軽い糸を繋げ、滑らかな水平釘Aにかけたところ球は触れあって静止した。 このときの球の位置と糸の張力Tを求めよ。

…いくらなんでも省略しすぎていないか? とびっくりしたが、摩擦なしの前提でつりあい状態を求める、と読んだ。
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[解答]

球はその中心まわりにトルクを受けてはいけないので、重力はもとより、張力・抗力もその作用線は中心を通る。また、2球の重心は釘の真下にくる。
結果的に長さa_1+a_2の軽い棒の両端に質点m_1,m_2がついている場合のつりあいになるようだ。
力のつりあいから、糸は鉛直線に対して左右対称になる。鉛直線からの角度を\thetaとおく。

面倒なので、L = l+a_1+a_2 とする。
m_1側の釘-中心間距離を x とすると、
x = \displaystyle\frac{m_2L}{m1+m2}
m_2側の釘-中心間距離は
 L-x =  \displaystyle\frac{m_1L}{m1+m2}

力のつりあいから、
2T\cos\theta = (m_1+m_2)g
余弦定理により
\cos 2\theta = \displaystyle\frac{x^2+(L-x)^2-(a1+a2)^2}{2x(L-x)}
となる。
第2式より\cos\thetaを求めて第1式に代入すれば
T=(l+a_1+a_2)g\sqrt{\displaystyle\frac{m_1 m_2}{l\{l+2(a_1+a_2)\} }}
を得る。
また、x\thetaを用いれば各球中心位置を得る。

ただし、このつりあいは不安定で、現実には多少なりと摩擦がないと維持されないのではないかと思われる。
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