一般相対論のリーマン微分幾何学に出てくる曲率テンソル(リーマンテンソル)をその縮約であるリッチテンソルおよびスカラー曲率(リッチスカラー)で展開する。(初稿2010/10/01)
曲率テンソル
は,交換およびに対して反対称,さらに同時交換に対して対称であるから,ある対称テンソルを用いて,
と書ける。について縮約して得られるリッチテンソルは,
となる。ここに,で,は空間の次元数である。さらに縮約して得られるスカラー曲率は,
となる。
1次元空間()では,では不定。もともと1次元では反対称性から曲率テンソルの成分はことごとく0となるから当然だ。のとき,
したがってのとき,
を得る。これを代入すれば,曲率テンソルはリッチテンソルとスカラー曲率によって
と展開されることがわかる。ただし,4次元の場合はここにワイルテンソルと呼ばれる4階テンソルの項が付加される。
2次元()の場合については,次のような方法をみつけた。
曲率テンソルはに関して反対称だから,
とおくことができる。縮約して,
したがって,
初めの曲率テンソルに代入して,
とを同時交換して,
曲率テンソルは,この交換に対して対称だから,
さらに縮約して,
結局,
を得る。2次元についてはさらに,http://hooktail.maxwell.jp/cgi-bin/yybbs/yybbs.cgi?room=room1&mode=res&no=27564&mode2=preview_pcからある方の次の考察を覚え書きとして引用させていただく。
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を2次元Levi-Civita記号とします。()
任意の反対称テンソルがと表せることより
と書けます。(は自動的に満たされています。)
ここで、同様に
ですから(は行列式)、「一意的」に
と書けます。