棒でつながれた質点系。なぜ円運動の方程式を使えるのか? Yahoo!知恵袋>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1187616916 より。
【問題】
なめらかな水平面上に,質量の質点と質量の2つの質点を軽くて伸び縮みしない長さの棒でつないだものが置いてある。棒は接合部で自由に回転できるものとする。初期状態で質点は図のように一直線をなしている。真ん中の質点に図のように右方向の初速度を与えた。この直後の質点が棒から受ける力の大きさはいくらか。
【解答】
から見たの運動を考えると,半径,速さで左向きの円運動を始めるので,棒がを引く力をとすると
となる。
ここで,質問者は
「から見たの運動を考えると,やはり半径,速さの円運動を始めるので,棒がを引く力は
となり,棒がを引く力も棒がを引く力も等しいので,にはたらく棒からの力の大きさは となり…」
と考えて混乱している。が上下の棒から受ける力は等しいので,もちろんそのようにはならない。しかし,「から見たの運動も円運動」というのは合っているから,どこからか「向心力」を受けなくてはならない。いったいどこから受けるというのだろうか?
その答えは「慣性力」である。
は,初速度を与えられた直後の瞬間には,棒から受ける合力はゼロだから,その加速度はゼロである。すなわち,から見る立場は慣性系のものであるからに対して円運動の方程式が成立する。ところが,は直後から方向へ引かれて加速度を持つから,から見る立場は非慣性系のものである。したがって,から見たの運動方程式には,慣性力が入らなければならない。の加速度はから離れる方向を正として
であるから,が受ける慣性力は
となり,この慣性力が「向心力」となってを円運動させることになるわけだ。
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(初稿:2012/05/20)