回折による干渉は,単スリットによっても起こることが知られている。
スリット中央の幅 の部分から点Pに届く光波の関数を
とすると,位置 の幅 の部分から届く光波は,
となる。点Pで観測される光波は,
これを積分して
となる。したがって,観測される明るさは の明るさを として
と書ける。この結果は2つの事実を示している。すなわち,
(1) 実質的な回折角 が となること。
(2) を間隔として弱い干渉縞が現れること。
である。
ちなみに,この幅 をもつ間隔 のダブルスリットでヤングの干渉実験をおこなうと,明線間隔 の干渉縞が間隔 を周期とする単スリット回折による変調をともなっていることが観察される。
上:ダブルスリット
中:ダブスリットの一方をふさいだ場合
下:ウチダ製スリットに付属している単スリット
【参考文献】
(1) 吉田弘幸著 SEGハイレベル物理VOL.4「光波・原子」(1998 SEG出版)
(2) 啓林館ユーザーの広場
>http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1_kaitei/contents/ph-1/4-bu/4-3-4-1.htm
(初稿:2008.12.17)