中身の詰まった半円筒形を水平面上で転がり振動させたときの周期を求める。
手近にあったガラス製半円プリズムで実験したところ0.53sec. となり,理論値にぴったり一致した。
次の図のように設定する。
傾き角 のときの重心の座標 および重心の速度 は,
となる。重心の軌跡はサイクロイドである。なお,半円の重心は円中心から の距離にある。
パップス-ギュルダンの定理 - 科学のおもちゃ箱@Hatena
一方,重心まわりの慣性モーメントは
平行軸の定理 - 科学のおもちゃ箱@Hatena
により,
である。ただし,円筒の慣性モーメント を用いた。
初期条件を とすると,エネルギー保存により
すなわち,
周期を求めると,
となり, の極限で,ガラスプリズムの値 を代入すると, sec.となった。
ちなみに,摩擦なしの場合は だから,
となり,理論値は sec.となった。
ガラスプリズムでの測定値は,sec.であった。見たところ滑りはなく,きれいな転がり振動をしているように見える。理論値にぴったり一致した。
(初稿:2009/02/17)
【補足】
微小振動の近似をエネルギー保存の立式時点でとれば、
↓
↓
を得る。