おもりから引かれる糸巻き円筒

【問題】
粗い水平面におかれた質量 M、半径 a で慣性モーメントが Ma^2 の円筒に軽い糸を巻き、軽い滑車を通して他端に質量 m のおもりを下げて静かに放したら、おもりは下降し円筒はすべることなく転がった。重力加速度の大きさを g として、おもりの下降の加速度を求めよ。円筒軸はつねに水平で糸と垂直を保ち、運動は鉛直平面内で起こるものとする。

【解答】
求める加速度を \alpha、円筒の角加速度を \beta とする。また、図のように糸の張力を T、水平面と円筒の間の摩擦力を F とする。
円筒重心の運動方程式
M\cdot\displaystyle\frac{\alpha}{2} = T - F

円筒回転の運動方程式
Ma^2\beta = (T+F)a

おもりの運動方程式
m\alpha = mg - T

束縛条件
\displaystyle\frac{\alpha}{2} = a\beta

以上から、
\alpha = \displaystyle\frac{2mg}{M+2m}
を得る。

F = 0 となる点がおもしろい。Algodooシミュレーションでも、摩擦なしにしてみたところ加速度は変わらなかった。水平面での自由転がりで摩擦力0は自明だが、こちらの摩擦力0は何かエレガントな説明が可能だろうか?

Algodooは「糸」が苦手。棒連結の微小運動で評価する。

Algodooシーンのダウンロード
https://img.atwiki.jp/yokkun/attach/314/1537/omori-ni-hikareru-entou-no-korogari.phz