慣性系に対して一定の角速度 をもって回転する回転系に対する力学的エネルギーの表記を得る。
運動座標系による運動方程式(1) - 科学のおもちゃ箱@Hatena
で書いたように、回転系における「自己完結的」な時間微分を
で表すことにしよう。
慣性系から見れば、回転系の座標方向の単位ベクトルも変化するので、単位ベクトルも微分対象となる。しかし、 はそれを微分対象としない。たとえば、
は単に回転系における位置ベクトル の成分の時間微分を表す。このように記述すると などのベクトルは、単に座標系に依存しない空間上の矢印として抽象的な意味をもつだけになり、成分の記述はひとえにどういう座標系をとるかだけに任されることになる。したがって、慣性系の記述と回転系の記述を分ける必要はなくなる。たとえば、上の運動座標系における記述の際に などとプライムをつけて座標系の違いを意識的に書き表したが、実はその必要はなかったのである。すべては単位ベクトルの時間微分に必要な補正がまかされることになる。
慣性系における時間微分との間には
という関係が成立する。
したがって
である。
また、加速度は
となる。 は回転系から見た速度である。
慣性系における運動方程式
※ここでも左辺は座標方向単位ベクトルが変化する場合その微分も含むので、位置ベクトル は同じものを使っている。
これを書き換えると
となる。
両辺に をかける(内積をとる)と
ここで
により
を適用すると
を得る。
ただし、コリオリ力の情報を含まないので、運動方程式と同値にはならない?
参考:
https://www.se.fukuoka-u.ac.jp/iwayama/teach/gfd/2007/chap7.pdf