楕円軌道を得る水平速度

「知恵袋」から拾った問題。問題はごくありふれたものだが、多くの解説や参考書では両端を個別に求めているのに対して、初めから簡明に「サンドイッチ」できないかという「ワガママ」なご注文。

【問題】

地球半径を R として、地球中心から 2R の高さにおいて速度が水平方向に v人工衛星が、地球に衝突せず、かつ無限遠方に飛び去ることも無く楕円軌道を描く速さ v の範囲を求めよ。地球質量M万有引力定数 G とする。
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【解答】

道長半径によって衛星の力学的エネルギーが決まってしまうことを用いると簡明である。

エネルギーによって軌道長半径が決まること - 科学のおもちゃ箱@Hatena
エネルギーによって軌道長半径が決まること2 - 科学のおもちゃ箱@Hatena

道長半径 a の衛星の力学的エネルギーにおいて、

\displaystyle\frac{1}{2}mv^2 - \frac{GMm}{r} = - \frac{GMm}{2a}

が成立する。したがって、題意により

-\displaystyle\frac{GMm}{3R} \lt \frac{1}{2}mv^2 - \frac{GMm}{2R} \lt 0

結果は、

\sqrt{\displaystyle\frac{GM}{3R}} \lt v \lt \sqrt{\displaystyle\frac{GM}{R}}

となる。