質量 、半径 の一様な円板があり、その中心から の位置に質量 の質点がくっついている。この円板が傾角 の斜面上で滑ることなく転がる運動を考察する。質点位置が円板中心と接地点中心をつなぐ半径上にあるとき(図の右側)に、放すとする。
ラグランジアンは次のようになる。
微分すると
の場合の数値積分とシミュレーションは次のようになった。
質点の質量 が大きくなっていくと、いずれ円板がそのまま斜面を転がり降りずに振動に移行する。その境界に興味をもった。
ポテンシャルエネルギーの基準を考察の簡明さのために初期位置に移す。
初期状態と同じく となるような が存在すれば振動となる。その条件を整理すると、
を得る。
右辺は質量に無関係に決まるので、その最大値が振動に移行するか否かの の境界値を決めることになる。右辺を微分して=0としても簡単に解ける方程式とはならないので、ここは数値計算で求めることにした。下図(PTC Mathcad による)がその概要である。 の境界値を適用した場合、右辺が最大値をとる においてポテンシャルエネルギーが0の最大値をとることが確認できた。
以下は質点の質量が境界値付近の場合のPolymathによる数値積分結果と、Algodooによるシミュレーションの様子である。運動の様子はよく一致しているが、境界値付近ではわずかな誤差で周期が大きく変わるので、周期はややずれているようだ。
Algodooシーンのダウンロード
https://img.atwiki.jp/yokkun/attach/1/1527/shitsuten-no-tsuita-entou-no-shamen-korogari-shindou.phz