円筒面をころがる円板

【問題】

粗い表面を持つ半径 a の円筒が中心軸Oを水平にして置かれている。円筒は中心軸Oのまわりで自由に回転できる。 ここで、円筒の頂点に、半径 b、質量 m の一様な円板を静かにのせて手放すと、円板は円筒面上をすべらずに転がり、ある位置で円筒から離れた。重力加速度をg、円板の重心を通り円板に垂直な回転軸のまわりの慣性モーメントを mb^2/2、円筒の慣性モーメントを ma^2 とするとき、円板が円筒から離れる位置( \theta=\theta_1 )を次の2つの場合について求めよ。

(1) 円筒が固定されている場合
(2) 円筒が自由に回転できる場合

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【解答】

円板が円筒と接する点をAとするときOAが鉛直上方となす角 \theta、 点Aでの摩擦力と垂直抗力をそれぞれF,R、円板の重心のまわりの加速度を \omegaとする。

(1)

重心の接線方向の運動方程式
m(a+b)\ddot{\theta} = mg\sin\theta - F
重心の動径方向の運動方程式
m(a+b){\dot{\theta}}^2 = mg\cos\theta - R
重心まわりの回転の運動方程式
\displaystyle\frac{1}{2}mb^2\dot{\omega} = Fb
束縛条件
(a+b)\dot{\theta} = b\omega

R = 0 により
\cos\theta_1 = \displaystyle\frac{4}{7}
を得る。
\theta_1 = 55°

(2)

円筒の角加速度を \Omega とする。
円板の運動方程式は(1)に同じ。
円筒の運動方程式
ma^2 \dot{\Omega} = Fa
束縛条件
(a+b)\dot{\theta} = a\Omega + b\omega

R = 0により
\cos\theta_1 = \displaystyle\frac{3}{5}
を得る。
\theta_1 = 53°

Algodooによるシミュレーション結果