福岡大'09入試問題より。円弧状の面をもつ台の上ですべってとびだす小球。
【問題】
図のように,半径 のなめらかな円弧状の面をもつ質量 の台が,なめらかな水平面におかれている。円弧の左端は円の中心と同じ高さで,右端は鉛直下方からの中心角が60°になっている。質量 の小球を円弧の左端から静かにすべらせるときの運動を考える。重力加速度の大きさを とし,摩擦や抵抗はいっさい考えなくてよい。また,高さの基準は円弧の最下点とせよ。
(1) 台が固定されているとき,右端から飛び出した小球の最高点の高さを求めよ。
(2) 台が自由に動けるとき,右端から飛び出した小球の最高点の高さを求めよ。
Algodoo シーン
>http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=244&file=Fukuoka09.phz
【解答】
(1)
とびだすときの速さを とすると,エネルギー保存により
最高点における速さは,とびだし速度の水平成分の大きさ に等しいから,あらためてエネルギー保存により,
※ または,鉛直方向の等加速度運動について
(2)
小球のとびだし速度の水平・鉛直成分の大きさを ,そのときの台の速さを とする。
水平方向の外力はないから,運動量の水平成分は保存される。
また,台から見た小球のとびだしにおける相対速度は,図のように仰角60°方向を向く。
したがって,
エネルギー保存により,
を代入して,
を得る。求める最高点の高さを とおくと,あらためてエネルギー保存により
上の結果を代入して,
となる。
※ または,
鉛直方向の等加速度運動から,
※ Algodoo の設定は,[m] である。円弧内側の運動は,いつも若干のロスが出る。多角形扱いになるからか?
(初稿:2009/12/08)