斜面をすべる実験室内の振子

斜面をすべりおりる実験室内で振子を振らす問題。

【問題】

傾角 \theta のなめらかな斜面をすべりおりる実験室の天井に,長さ l の単振子がつるしてある。おもりの質量は実験室の質量に対して十分に小さく,重力加速度の大きさを g とする。

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(1) 振子をある角度で放すと,そのまま実験室内で静止する。このときの振子の鉛直方向に対する角度を求めよ。

(2) 振子を(1)のつりあい位置から少しずらして放したとき,振動の周期を求めよ。ただし,\theta は小さいものとする。

※ Algodoo シーンの設定は,\theta=30°,l=1.0 m である。

Algodoo シーン
>http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=223&file=Kanseiryoku.phz

【解答】

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(1)

実験室内で見たおもりのつりあいは,慣性力を考慮して図の通りである。
実験室の加速度の大きさは,g\sin\theta であるから,つりあい位置における振子の鉛直方向からの角度は,\theta である。

(2)

実験室内は,仮想的な重力加速度が g^\prime=g\cos\theta の大きさで斜面に垂直な方向を向いていると考えてよい。したがって,振子の周期は

T=2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{l}{g\cos\theta}}

となる。

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(初稿:2009/11/30)