Algodooのサンプルシーンより。ラグランジアンを用いた方法がいかに有効かを思い知る。
【問題】(大学レベル)
図のように質量 のおもりがC端についた棒ACが,点AおよびBにおいてスライダーで 軸および 軸になめらかな束縛を受けて運動する。ここで である。重力加速度の大きさを とし,スライダーと棒の質量は無視できるものとする。
(1) 重力の影響がない場合の運動を解析せよ。
(2) 重力が 方向に存在するときの運動を解析せよ。
※ Algodoo の設定は, [m]、 [m]、である。また,重力がある場合の初期条件は, である。
Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=268&file=System1.phz
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=268&file=System12.phz
【解答】
(1) 重力の影響がない場合
図のような状態で,鉛直方向からの棒の角度を とおくと,おもりの位置は
速度成分は,
したがって,ラグランジアンは
となる。
より運動方程式をつくり,整理すると
を得る。
(2) 重力がある場合
により,運動方程式は
となる。
回転軸連結された2本の棒 - 科学のおもちゃ箱@Hatena
に引き続き,束縛された系の運動の解析にラグランジアンを用いた方法がいかに強力なものか,再び思い知らされることになった。座標への束縛を与えるだけで,結果的に束縛力を逆に得ることになるわけである。
(初稿:2009/12/21)