回転盤の親子

ファインマン流物理がわかるコツ」演習より。親回転盤の上で子回転盤の回転が止まると・・・。

【問題】(大学レベル)

図のように,質量 M ,半径 R の静止した大回転盤の上で,質量 m,半径 r の小回転盤が角速度 \omega で回転している。大回転盤は自由に回転できるが,静止したままである。ただし,両者は一様な円盤であり,その軸間距離は \rho とする。

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(1) ある瞬間にクラッチが作動して,小回転盤の大回転盤に対する相対的な回転が止まった。その後の大回転盤の角速度を求めよ。

(2) (1)の後小回転盤のクラッチを切って自由にし,大回転盤のクラッチを作動させて止めた後の小回転盤の角速度を求めよ。

Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=281&file=FMT14-6.phz

※ Algodoo の設定は,M=25 kg, R=2.0 m, m=10 kg, r=1.0 m, \rho=1.5 m, \omega=10 rad/s である。小回転盤の回転を止めるには,リターンキー(Enter)を押す。もう一度押すと自由になる。大回転盤も同様にバックスペースキーをクラッチとしている。

【解答】

(1)

回転盤のそれぞれの軸に対する慣性モーメントは,

I_1 = \displaystyle\frac{1}{2}MR^2,\quad I_2 = \frac{1}{2}mr^2

である。また,小回転盤の大回転盤軸に対する慣性モーメントは,I_2 + m\rho^2 である。

角運動量保存により,求める角速度 \Omega

I_2\omega = (I_1+I_2+m\rho^2)\Omega \qquad \therefore \Omega = \displaystyle\frac{I_2}{I_1+I_2+m\rho^2}\;\omega

となる。

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(2)

大回転盤が止まるときに受けるトルクは外部からのものだから,小回転盤の自転には影響しない。したがって,求める角速度は \Omega に等しい。

(初稿:2009/12/25)