一様な重力下で固定された球面に拘束された質点(球面振子)の運動の解析。
球の半径を とし,わかりやすいグラフの描画のために重力方向を主軸方向として球面座標 ( は鉛直下方からの角変位で, は水平方位角)をとる。質量 の質点のラグランジアンは,
微分して,
したがって運動方程式は,
第2式(角運動量保存)により,
第1式に代入して,
を得る。数値積分の結果を下図に示す。
この初期条件では,質点は下半分のお椀の中を比較的おとなしく行ったり来たりしている。
しかし,こちらの方は,質点は上半分に運動領域を拡大し,ななめに回転するような動きになっている。その運動の激しさからか,数値積分の方もついていけなくなって,エネルギー保存が壊れ気味である。
運動領域の制限について考察しよう。角運動量保存およびエネルギー保存によって制約を受けるのは である。系の力学的エネルギーは,
これが を制限する。=0の方程式は として,
と整理される。2番目の場合()に適用して の範囲を求めると,
°°
を得た。3次方程式を解いたのはMathcadである。^^;
(初稿:2010/12/07)