中心軸が棒で連結され,摩擦によって転がりに移行する2円板の系の運動
【問題】
図のように,質量 および で半径 および の一様な2円板が,相互の回転軸を軽い棒で連結された状態で,摩擦のない水平面上で初期角速度 および で相互にすべり始める。連結棒は初め回転していなかったものとして,すべりが転がりに移行した後の2円板の回転の角速度,および系全体すなわち連結棒の角速度を求めよ。
※Algodooシーンの設定は,
kg, kg, m, m, rad/s, rad/s である。正確な接触では十分な摩擦が得られない。棒の長さを半径の和よりほんの少し小さくして,2円板の回転軸間にテンションがかかるようにする。
Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=449&file=AngMoment.phz
↓ 設定は異なりますが、大きくして精度を確保しました。
https://img.atwiki.jp/yokkun/attach/314/1501/Ang-Moment.phz
求める角速度を図のように とする。
系の重心周りの角運動量保存により,
…(1)
ただし,
(換算質量)
である。また,2円板の相互作用における作用反作用則により,
…(2)
さらに,転がりへの移行により
…(3)
(1)(2)(3)を の連立方程式として解く。(2)より,
…(4)
(1)を整理すると,
(4)を代入すれば,
を得る。これを(3)に代入して,
上の式から, を得る。
が両者の質量に無関係であることは興味深い結果である。
理論値 にぴったり一致した。
(初稿:2010/10/25 2022/03/10 訂正加筆)