自由落下と鉛直投げ上げ

【問題】

床からの高さ h にある小球Aが自由落下をはじめるのと同時に,床から小球Bを鉛直上方に速さ v で投げ上げる。重力加速度の大きさを g とする。
(1) 両者が衝突するまでの時間と,衝突位置の高さを求めよ。
(2) Bが最高点でAに衝突するための初速 v を求めよ。

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【解答】自由落下と鉛直投げ上げ

(1)
床から鉛直上方へ y 軸をとり,時間 t の後のA,Bの座標を y_A,y_B とすると,
y_A = h - \displaystyle\frac{1}{2}gt^2
y_B = vt-\displaystyle\frac{1}{2}gt^2
y_A = y_B より,衝突までの時間は,
t = \displaystyle\frac{h}{v}
したがって,衝突位置の高さは,
y = h - \displaystyle\frac{1}{2}g\left(\frac{h}{v}\right)^2
以上が標準的な解き方であるが,Aとともに自由落下する実験室で見れば,無重力の下,Bが速さ v の等速でAに近づく運動となるから,ただちに
t = \displaystyle\frac{h}{v}
である。
シミュレーションでは,静止した実験室とともに,自由落下する実験室を設定してみた。カメラ追跡の設定をすれば,自由落下する実験室内でのBの等速度運動が観察できる。

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(2)
Bが最高点となる時刻は,
v - gt = 0
より,
t = \displaystyle\frac{v}{g}
(1)の結果から
\displaystyle\frac{h}{v} = \frac{v}{g} \qquad \therefore v = \sqrt{gh}
となる。

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Algodoo シーン
>http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=193&file=relativity.phz

(初稿:2009/11/21)