ばねで連結された2物体

東工大'09入試問題より。ばねで連結された2物体の運動。

【問題】

質量がともに m の2物体AとBを自然長 L,ばね定数 k の軽いばねで連結する。これを図のようになめらかな水平面上におき,Aを壁につけてBを押してばねが l 縮んだ状態から放す。

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(1) Aが壁から離れるときのBの速さを求めよ。
(2) Aが壁を離れてから,ばねが初めて自然長になるまでの時間を求めよ。
(3) Aが壁を離れてから,ばねが最も縮んだときの長さを求めよ。

Algodooの設定は,m=8.0 kg、L=6.0 m、k=100 N/m、l=2.0 m である。Algodooのバグによってシーンを開いたときに自然長4.0mになってしまうので,6.0mに修正して実行すること。

Algodoo シーン
>http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=229&file=Toko09.phz

【解答】

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(1)

Aが壁を離れるのはばねが自然長のときだから,求める速さv としてエネルギー保存により,

\displaystyle\frac{1}{2}kl^2 = \frac{1}{2}mv^2 \quad \therefore v = l\sqrt\frac{k}{m}

(2)

右向きを正にとり,A,Bの座標を x_1\;,\;x_2,加速度を a_1\;,\;a_2 とおくと,運動方程式は,

ma_1 = k(x_2-x_1-L)

ma_2 = -k(x_2-x_1-L)

辺々引いて,

m(a_2-a_1) = -2k(x_2-x_1-L)

これは,相対変位の運動方程式である。したがって周期は,

T = 2\pi\sqrt{\displaystyle\frac{m}{2k}}

(3)

運動量保存により,両者の重心は速さ v/2 の等速度運動をする。ばねが最も縮んだときにA,Bともに重心に対して相対速度0になるから,ばねの最大縮みを l_{\rm max} とおくとエネルギー保存により,

\displaystyle\frac{1}{2}kl^2 = 2\times\frac{1}{2}m\left(\frac{v}{2}\right)^2 + \frac{1}{2}{kl_{\rm max}}^2 \quad \therefore l_{\rm max} = \frac{l}{\sqrt 2}

となる。

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(初稿:2009/12/03)