接地した2連棒振り子の運動

Yahoo! 知恵袋」から拾った問題。

【問題】

なめらかな水平面から高さ l のOを固定軸として回転できる質量 m, 長さ l の細い棒OAと、Aを回転軸としてつながれた質量 2m, 長さ 2l の細い棒ABを図1の静止位置から放す。Bはつねに接地し、水平面をすべるものとする。各部の摩擦や空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを g とする。
(1) 棒OAが回転して、A端が点Oの真下を通過するときのB端の速さ v を求めよ。(図2)
(2) 棒OAがさらに回転して、棒OA、ABが一直線になる瞬間の棒OAの角速度の大きさ \omega を求めよ。(図3)
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Algodooシーンのダウンロード:
https://img.atwikiimg.com/www14.atwiki.jp/yokkun/attach/1/1482/Link-free.phz

【解答】

(1)
Oを軸としたOAの慣性モーメントは、
I_1 = \displaystyle\frac{1}{3}ml^2
重力による位置エネルギーの基準を水平面として、力学的エネルギー保存により
\displaystyle\frac{1}{2}I_1\omega^2 + \frac{1}{2}\cdot 2mv^2 + mg\cdot\frac{l}{2} = mgl + 2mg\cdot\frac{l}{2}
ただし、\omega はOAの角速度の大きさで
v = l\omega
である。
v について解けば、
v = \sqrt{\displaystyle\frac{9gh}{7}}
を得る。

(2)
OABが一直線になるとき、点Bは瞬間回転中心になる。
ABのBまわりの慣性モーメントは、
I_2 = \displaystyle\frac{1}{3}\cdot 2m\cdot (2l)^2 = \frac{8}{3}ml^2
OAの角速度 \omega とすると、この瞬間にABの角速度は \omega/2 である。
力学的エネルギー保存により
\displaystyle\frac{1}{2}I_1\omega^2 + \frac{1}{2}I_2\left(\frac{\omega}{2}\right)^2 + mg\cdot\frac{5}{6}l + 2mg\cdot\frac{l}{3} = mgl + 2mg\cdot\frac{l}{2}
\omega について解けば、
\omega = \sqrt{\displaystyle\frac{g}{l}}
を得る。

Algodooの設定は、m=80kg, l=1.2m である。
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