以前とりあげたことのある「おわんとおはしの問題」。
おわんからはみだしたおはしが摩擦なく振動する問題であったが、「知恵袋」でおはしの瞬間中心はどこか? という質問に出会った。
初め、
瞬間回転中心は剛体の各部分の速度に対する垂線の交点である
ということしか頭になく、座標を立てて速度ベクトルを計算するところまでいったが、複雑になるだけでそれ以上計算する気がしない。考えあぐねているうちに思いついたのは実に基本的な「速さと回転半径の関係」であった。
まず、おわんに接するおはしの端は、おわんの形状に沿って接線方向に動くのだから、瞬間回転中心は接点と中心を結ぶ直線上にあるはずである。
棒の水平からの角度を とするとき、おわんとの接点位置の水平からの中心角は となる。
すると、棒の角速度が であれば、おわんの半径を として接点の速さは となるはずである。
したがって、瞬間中心は接点と中心を結ぶ直径の端点、すなわち接点から距離 の位置になるだろう。
(おわんの直径に一致する軽い棒をおはしにくっつけた。瞬間中心位置の赤いトレーサーがほとんど動いていないことに注目されたい。)
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