OKWave>http://okwave.jp/qa/q5962844.html より。つりあいの問題としては見かけるが,その微小振動までを考察する。
【問題】
長さの棒(質量)が半球面(半径)の中にある。棒の一端が球の中にあり、半球の縁に支えられている。重力加速度の大きさをとし,摩擦は無視できるものとする。
(1) つりあいの状態における,棒の水平方向からの角度を求めよ。
(2) つりあいの状態からずれた場合に生じる,鉛直面内の微小振動の周期を求めよ。
※Algodooの設定は,[m]という巨大なものである。
【解答】
(1)
(2)への発展のために,力のつりあいからでなく,位置エネルギーを最小とする位置を求める。
棒と半球の接点を原点に,水平方向に軸,鉛直下方に軸をとる。棒の重心の座標・速度成分は,水平方向からの角度として
速さをとして,
運動エネルギー,位置エネルギーは,
となる。
において,これがゼロになるから,
を得る。
(2)
ラグランジアンから運動方程式を導出して近似してもよいが,より簡明と思われるエネルギー保存を用いる。
エネルギーは,
つりあい位置 からの微小角変位とすると。
最大運動エネルギー=初期位置とつりあい位置の位置エネルギー差
であるから,
右辺をについて展開すると,つりあい条件からの1次項は消えるので,2次項まで残して近似する。
単振動における一般式
と比較して,
となり,
より周期を得る。
Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=403&file=owan-hashi.phz
(初稿:2010/06/13)