おわんとおはしの問題

OKWave>http://okwave.jp/qa/q5962844.html より。つりあいの問題としては見かけるが,その微小振動までを考察する。
【問題】
長さ3aの棒(質量m)が半球面(半径a)の中にある。棒の一端が球の中にあり、半球の縁に支えられている。重力加速度の大きさをgとし,摩擦は無視できるものとする。
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(1) つりあいの状態における,棒の水平方向からの角度\theta_0を求めよ。

(2) つりあいの状態からずれた場合に生じる,鉛直面内の微小振動の周期を求めよ。

※Algodooの設定は,a=48[m]という巨大なものである。

【解答】
(1)
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(2)への発展のために,力のつりあいからでなく,位置エネルギーを最小とする位置を求める。

棒と半球の接点を原点に,水平方向にx軸,鉛直下方にy軸をとる。棒の重心の座標・速度成分は,水平方向からの角度\thetaとして

$$x = \left(2a \cos\theta - \frac{3}{2}a\right)\cos\theta$$

$$y = \left(2a \cos\theta - \frac{3}{2}a\right)\sin\theta$$

$$\dot{x} = a\dot{\theta}\sin\theta\left(\frac{3}{2} - 4\cos\theta\right)$$

$$\dot{y} = a\dot{\theta}\left(-2\sin^2\theta+2\cos^2\theta-\frac{3}{2}\cos\theta\right)$$

速さをvとして,

$$v^2 = \dot{x}^2 + \dot{y}^2 = a^2\dot{\theta}^2\left(\frac{25}{4} - 6\cos\theta\right)$$

運動エネルギー,位置エネルギーは,

$$K = \frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}I\dot{\theta}^2 = ma^2\dot{\theta}^2\left(\frac{7}{2} - 3\cos\theta\right)\quad , \quad I = \frac{1}{12}m(3a)^2$$

$$U = -mgy = -mga\left(2\cos\theta - \frac{3}{2}\right)\sin\theta$$

となる。

$$\frac{dU}{d\theta} = mga\left\{2\sin^2\theta - \left(2\cos\theta - \frac{3}{2}\right)\cos\theta\right\} = -\frac{1}{2}mga(8\cos^2\theta - 3\cos\theta - 4)$$

\theta=\theta_0において,これがゼロになるから,

$$\cos\theta_0 = \frac{3+\sqrt{137}}{16}$$

を得る。

(2)

ラグランジアンから運動方程式を導出して近似してもよいが,より簡明と思われるエネルギー保存を用いる。

エネルギーは,

$$E = ma^2\theta^2\left(\frac{7}{2} - 3\cos\theta\right) - mga \sin\theta\left(2\cos\theta-\frac{3}{2}\right)$$

つりあい位置 \theta_0からの微小角変位\phiとすると\theta=\theta_0+\phi

最大運動エネルギー=初期位置とつりあい位置の位置エネルギー

であるから,

$$ma^2{\dot{\phi}_{\rm max}}^2\left(\frac{7}{2} - 3\cos\theta_0\right)$$

$$ = -mga\Big[\sin(\theta_0+\phi_{\rm max})\left\{2\cos(\theta_0+\phi_{\rm max})-\frac{3}{2}\right\} - \sin\theta_0\left(2\cos\theta_0-\frac{3}{2}\right)\Big]$$


右辺を\phi_{\rm max}について展開すると,つりあい条件から\phi_{\rm max}の1次項は消えるので,2次項まで残して近似する。

$$\frac{1}{2}\cdot{\dot{\phi}_{\rm max}}^2 = \frac{1}{2}\cdot\frac{g}{a}\cdot\frac{\displaystyle 4\sin 2\theta_0 - \frac{3}{2}\sin\theta_0}{7 - 6\cos\theta_0}\cdot\phi_{\rm max}^2$$

単振動における一般式 

$$\frac{1}{2}\cdot \dot{X}_{\rm max}^2 = \frac{1}{2}\cdot\omega^2X_{\rm max}^2$$

と比較して,

$$\omega = \sqrt\frac{g}{a}\cdot\sqrt\frac{\displaystyle 4\sin2\theta_0 - \frac{3}{2}\sin\theta_0}{7 - 6\cos\theta_0}$$

となり,

$$T=\frac{2\pi}{\omega}$$

より周期を得る。
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Algodooシーンのダウンロード
https://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=403&file=owan-hashi.phz

(初稿:2010/06/13)