において、ラザフォード散乱の軌道方程式を導出した。今回の考察に当たっても軌道方程式を用いるが、方位角の基準は進入方向ではなく、最接近方向にとっている。惑星の軌道方程式と比べて引力と斥力の違いはあるが、逆2乗中心力の共通点から同じ流れで導出が可能である。
こちらでは、衝突パラメータと散乱角との関係について考察した。
今回、知恵袋の質問から、衝突パラメータ/最接近距離の比が散乱角に対してちょっと「綺麗な」関係をもつことを知ったので、導出しておく。
運動方程式から軌道方程式へ
初めに、あらためて最接近方向を基準とした軌道方程式を運動方程式から導出する。極座標 とする。
動径方向
方位角方向
第2式は角運動量保存を与える。
と変数変換し、
これらを用いて動径方向の運動方程式を書きかえれば、
整理すると、
を得る。
惑星の軌道方程式を得るのと同じ手法で、軌道方程式が得られる。これには
惑星軌道方程式のエレガントな導出 - 科学のおもちゃ箱@Hatena
のようなエレガントな方法もあるが、ここでは
運動方程式から軌道方程式まで(3) - 科学のおもちゃ箱@Hatena
にならってより初歩的に納得しやすい方法を選ぼう。
とおくと、
と書け、最接近方向を方位角の規準とすれば、ただちに
を得る。 にもどせば、
を得る。ただし、
とおき、円錐曲線の一般式に寄せた。